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江戸川乱歩編『世界短編傑作集1』
江戸川乱歩編『世界短編傑作集1』

世界短編傑作集01

乱歩翁が選んだ海外の推理小説傑作選。
全五巻中、この第一巻では、十九世紀後半から二十世紀初頭までの、初期のミステリ作品が収録されています。

「人を呪わば」ウィルキー・コリンズ
1860年の作品。
1841年の「モルグ街の殺人」でポオが推理小説を発明してから、1986年にドイルの「緋色の研究」で世界一有名な探偵を世に送り出すまでの、丁度中間に位置する作品です。
語り口もユーモアがあり、ミステリ黎明期の作品にしては謎と手掛かりの配分も上手く、面白いです。
それにしても、当時の警察組織って、随分といい加減なものだったんだなぁ。

「安全マッチ」アントン・チエホフ
1884年作品。
チェ-ホフのミステリっていうのが珍しいですよね……とか言ってみましたが、チェーホフの他の作品読んだ事無いので、ホントはよく分かりません、ゴメンナサイゴメンナサイ。
オチは読めたけど、ほのぼのした雰囲気がなかなか楽しい作品でした。

「レントン館盗難事件」アーサー・モリスン
1894年作品。
探偵役に個性が無く、作品全体のフレーバーも薄いので、今読むにはちょっと退屈です。
こういうオーソドックスな古典ミステリを読むと、いかに(同時期の)ホームズ作品が良く出来てるかが判りますよね。

「医師とその妻と時計」アンナ・カサリン・グリーン
1895年作品。
この作品の短い解説でも軽く触れられていますが、とにかく文章構成が拙いです。
冗長で無駄が多い上に、説明されるべき事が説明されてなかったりして、状況が掴めない事が何度もありました(´Д`;)
もうちょっと推敲すれば、確かに面白い作品になりそうなんですけどね。

「ダブリン事件」バロネス・オルツィ
1902年作品。
安楽椅子探偵の先駆“隅の老人”ものの一篇。
このアンソロジーでは、ここから二十世紀に入ってからの作品になるのですが、読んだ印象も(これより前の収録作品と比べると)「現代の作品」って感じがしました。
ま、現代って言っても、もう百年前の作品なんですけどね。
真相は読めましたけど、まあまあ面白かったです。
でも、これって安楽椅子探偵って言えるのか、ちょっと疑問。

「十三号独房の問題」ジャック・フレットル
1905年作品。
“思考機械”ものの一篇。
このアンソロジーで一番面白かったです。
こういうのもミステリになるんだなぁ。
ルパン三世の脱獄話を思い出しましたが、多分これが元ネタと言うかイメージソースなんだろうなぁ。

「放心家組合」ロバート・バー
1906年作品。
探偵役が裏をかかれる展開はまぁ面白いのだけれど、裏をかかれる件で読者が気付いてしまうと、探偵役が間抜けに思えて、素直に楽しめないんですよね。
全体的には、文章にもユーモアがあってまあまあ面白かったのですが。




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Posted by スミレ
comment:4   trackback:0
[

thema:読書感想文 - genre:小説・文学


comment
ウィルキー・コリンズは、ミステリとしての代表作「月長石」を読んだことがありますが、果てしなく眠気を誘う代物でした。あの分厚い本を最後まで読んだわたしは偉い、と思ったであります(笑)

アーサー・モリスンは、実はわたし、マーティン・ヒューイットのファンでして(^^;) この作品も嫌いではないです。ほかに、「ディクソン魚雷事件」なんかが面白いんですがねえ。もうちょっとキャラクターに個性があったら、ストーリー自体はホームズの最良の冒険と遜色ない作品だと思います。いやそれはヒューイットを持ち上げすぎか(^^;)

バロネス・オルツィ(こう書くのはなんか気の毒。要するに、オルツィ男爵夫人、ということなので、うーむ)は、「隅の老人」もいいですが、面白さということでは、歴史冒険ロマンの「紅はこべ」のほうが上ですね。フランス革命でギロチンの露と消えていく貴族たちを救出してイギリスに亡命させる、正義の味方(ということになっているんです(^^;))の謎の一団、「紅はこべ」の冒険を描いた、恋あり陰謀ありの痛快作であります。手放しちまったんだよなあ。読みたいなあ。

ジャック・フットレルの「十三号独房の問題」は、わたしも大好きな作品です。とにかく奇跡的に面白い作品です。これがあまりに面白かったため、「思考機械の事件簿」1と2も買っちゃったい(笑)。売っていたときを逃してしまったので3はまだ未入手ですが、ああ読みたい読みたい(^^) まあ、ほかの短編は、この傑作に比べるとそれほどたいしたものもないのですが、中では「復讐の暗号」がよくできていたかな。思考機械は、シャーロック・ホームズと同時代のアメリカの探偵の中で、アブナー伯父に匹敵する、魅力的な探偵であります。わたしも自作のホームズ・パロディでホームズと知恵比べをさせてしまった(笑)。反省はしていない。ブログに載せてあるのでよかったら読んでみてください(^^)

バーの「放心家組合」は、単独で取り出したことは乱歩の大いなるミスだと思います。去年だったか出た、ヴァルモン探偵のシリーズが全部読める短編集、「ウージェーヌ・ヴァルモンの勝利」という本を入手して、ぜひご一読ください。バーが書こうとしていたのが、乱歩のいう「奇妙な味」の作品ではなく、探偵小説をシャレのめした「ミステリのパロディとしてのユーモア小説」であることがよくわかりますから。ちなみにこの「ウージェーヌ・ヴァルモンの勝利」を訳されたかたは、うちのブログの相互さんだったりします(^^) 去年読んだミステリの中でも十本の指に入る面白さだったなあ……。
2011/06/10 22:04 | URL | edit posted by ポール・ブリッツ
書き忘れていましたが、この「世界短編傑作集」は、それぞれの名探偵のファンにとっては愛憎せめぎあうアンソロジーでして。

なにしろ、その作家の名探偵の「最良の」事件ばかりを集めて作ったアンソロジーなので、

「レントン館盗難事件」が、「マーティン・ヒューイットの事件簿」に入っていない!

「ダブリン事件」が、「隅の老人の事件簿」に入っていない!

そしてなにより、「十三号独房の問題」が、「思考機械の事件簿」1、2、3のどれにも入っていない!

という、もう泣けてくるというかおれのこの怒りをどうすればいい、というような思いをさせる、という副産物が。とほほほ(^^;)

同じようなことは、マックス・カラドスやレジー・フォーチュン、ソーンダイク博士などでもとほほほ(^^;)

どれだけこのアンソロジーを呪ったか、でも魅力的なんだよなあこのアンソロジー(^^;) でもとほほほ(^^;)
2011/06/10 22:12 | URL | edit posted by ポール・ブリッツ
あ、つけくわえておきますと、「ウージェーヌ・ヴァルモンの勝利」を読めばわかりますが、ヴァルモン探偵、ものすごい

「 迷 探 偵 」


ですから(^^)
2011/06/12 14:48 | URL | edit posted by ポール・ブリッツ
> ポール・ブリッツさん
そうなんですよね。
単品で読むのと、シリーズとして読むのとでは印象が違ってくるだろうなぁ、とは思ってました。
ですので、あくまで単品だけの評価と言う事で(=´▽`)ゞ

「月長石」はタイトルは聞いた事がありますが、ポールさんでさえ眠くなるのでしたら、私にはとても読み通せそうにないですね(´ε`*)

バロネス・オルツィ……は、仰る通りオルツィ男爵夫人ですね。
……だって、そう書いてあるんだもん(´∀`*)
「紅はこべ」は河出文庫版は持っています(まだ読んでませんが)。

「十三号独房の問題」が面白かったので、「思考機械の事件簿」探して見ようと思います(金欠なので勿論古本でですが)。
ホームズ対思考機械は面白そうですね。
今度読ませていただきます。

「ミステリのパロディとしてのユーモア小説」ということなら、あの話も判るような気がします。
「ウージェーヌ・ヴァルモンの勝利」も探してみます。
2011/06/13 16:16 | URL | edit posted by スミレ
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