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Posted by スミレ
 
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H.P.ラヴクラフト『ラヴクラフト全集5』
H.P.ラヴクラフト『ラヴクラフト全集5』

ラブクラフト全集5

H.P.ラヴクラフト『ラヴクラフト全集5』読みました。
というか、だいぶ前に読み終わってたのですが、感想書くのに時間がかかってしまって。

「神殿」
1917年8月20日、ドイツ帝国海軍潜水艦U29は大西洋の海底で座礁した。
同艦の艦長カルル・ハインリッヒ少佐は絶望的な状況下で、航行不能に至る経緯を記した手記を瓶に詰め投棄した。
ユカタン半島沿岸で発見されたその手記には、同年6月18日、英国の貨物船ヴィクトリー号を撃沈した事に端を発する、不可思議な出来事が記されていた……。


ラヴクラフトの小説が、普通の恐怖小説と違う点の一つに、主人公が恐怖の対象そのものに魅入られてしまうという展開があるんじゃないかと思うんです。
あまり恐怖小説に詳しい訳じゃないので、間違ってたらゴメンナサイですが、普通は怖がりながらも恐怖の対象を倒すか、怖がりながら結局殺されちゃう(もしくは絶望的な状況に追い込まれる)のどちらかなんじゃないかと思うんですよね。
この作品も、主人公が未知の存在に魅入られる展開と言えると思うんですけど、なんか独特だなぁと改めて思いますねー。
面白いか面白くないかは別として。

「ナイアルラトホテップ」
這い寄る混沌ナイアルラトホテップ。
その謎の存在が現われる所、平安は消えうせる……。


ラヴクラフトって、寝言のような話をよく書くけど、この作品は実際夢に見た内容を文にしたためたのだとか。
今や、クトゥルー神話で一番人気の悪役ニャル様らしさはあまり無いですニャア。

「魔犬」
二人の退廃主義者が、冒涜的行為の果てに辿った末路。
翡翠細工の魔よけを墓荒らしをして手に入れた時から、猟犬が吠え立てるような声に悩まされ、そして……。


主人公二人の退廃的趣味って、今見ると映画とかでよくあるゴス趣味のちょっと行き過ぎた感じぐらいに見え、「ああ、こう言うのは昔からあるんだなぁ」と思えて面白いですね。
話自体は、破滅パターンで呆気なく終わるのでどうという事のない感じなのですが。

「魔宴」
クリスマスの日に故郷キングスポートに戻ってきた男は、古来より続く祝祭に参加する事になり、そこで恐ろしい事実を知る事になる……。


シンプルな話ですが、なかなか趣があって楽しめます。
キングスポート、怖い所だなぁ。

「死体蘇生者ハーバード・ウェスト」
ハーバード・ウェストは、ミスカトニック大学医学部の学生であった頃から、その天才的な頭脳による奇矯な研究によって異彩を放っていた。
それはすなわち、特殊な蘇生液によって死体を甦らせるという冒涜的な研究であった。
ウェストの手によって、幾体もの死体が研究材料になり、そして……。


全六回の連載小説として執筆された本作。
毎回毎回、死体に蘇生液を注射するも動かないから失敗したと思い込んで埋めたら甦ってギャー!な展開が飽きもせずに六回も続きます。
学習能力が無いのか君たちは。
恐怖小説としてはあんまりな出来ですが、ギャグとして読めば爆笑必至の作品です。

「レッド・フックの恐怖」
ニューヨーク警察の刑事、トーマス・F・マロウンは、様々な人種がひしめくレッド・フック地区の捜査を始めた。
そこには、冒涜的で忌まわしい行いが潜んでいた……。


一般市民とか学者じゃなくて、刑事が主人公ってのもラヴクラフト作品では珍しいですよね。
ラヴクラフト作品の主人公って、大抵うらなりっぽいじゃないですか。

「魔女の家の夢」
ミスカトニック大学の学生ウォルター・ギルマンは、数学の研究の果てに魔術や伝承の研究に足を踏み入れてしまった。
ギルマンは、その昔魔女が隠れ住んだといわれる屋根裏部屋に住み始めるが、やがて奇妙な夢や音に悩まされはじめ……。


悪くはなかったけど、ちょっと長くて途中ダレ気味になりました。
ラヴクラフトの「こんな夢を見た」シリーズは、正直ちょっと苦手です。
夢以外の部分は雰囲気があって、悪くは無かったのですが。

「ダニッチの怪」
因習深いマサチューセッツの寂れた山村ダニッチに、異常極まりない子供が産まれた。
その子ウィルバー・ウェイトリーは、生後三ヶ月目には一歳児ほどの体躯を持ち、七ヶ月目には歩き出し、そして十一ヶ月目には言葉を話しはじめたのだ。
母親は、風変わりで孤独なラヴィニアという女だったが、父親が誰であるかは村の誰一人として知らなかった。
やがてダニッチで異常な出来事が頻繁に起こるようになり……。


面白いです!
クライマックスのスペクタクルな見せ場も映画的で盛り上がりますし、それに至る展開も面白く出来てます。
個人的にはラヴクラフト作品でベスト3に入る面白さでした。



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Posted by スミレ
comment:2   trackback:0
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thema:海外小説・翻訳本 - genre:小説・文学


comment
クトゥルー神話は青心社の本から入ったからラヴクラフトよりはダーレスのほうが好きだという悪食だったりします(笑)。

みんなダーレスの「永劫の探求」クソだというんだよ〜。B級怪奇スリラーとしては面白い小説なのになあ〜。(ほんとか?)
2009/09/15 21:15 | URL | edit posted by ポール・ブリッツ
>ポール・ブリッツさん
ダーレスまだ読んでないんですよー。
とりあえず、先にラヴクラフトを一通り読んでおこうと思って。
青心社の「クトゥルー」もボチボチ揃えていってるので、ラヴクラフト全集の7まで読んだら、そっちも読みはじめようと思ってます。
ダーレス、面白いといいなぁ……。
2009/09/15 23:42 | URL | edit posted by スミレ
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